一般治療とは
一般治療とは、小児や矯正、口腔外科等の特殊な治療以外の総称です。主にむし歯や根の治療 (根管治療)、歯周病等が対象です。このページでは主にむし歯の治療の話を記します。
当院のむし歯治療
当院では「⻭髄(神経)を残す治療」、「⻭をできるだけ抜かない」ことに取り組んでいます。神経を取ることになった歯は木で言えば枯れ木と一緒です。365日口腔内で食事をとるたびに噛む力を受ければいずれ亀裂・破折で抜歯となります。ゆえに可能な限り神経を残し、仮に残せない場合でも抜歯とならないよう心がけて治療を行っていきます。
歯髄温存療法について
1.初診時
一見、小さなむし歯のように見えますが、、、
2.むし歯除去中
内部はむし歯が進行してしまっています。
3.むし歯染め出し
大半の歯質が染色液(むし歯を赤く染め出す)に染まり、全てを除去すると神経を取ることになります。
4.薬剤を貼付
むし歯を一層残し、抗菌性の高い薬剤を置き、歯髄を保護します。
5.半年後
残置したむし歯が無菌化し再石灰化しています。
6.治療後
神経を残した状態でつめ物で治療を終えました。
歯をできるだけ抜かない
1.レントゲン(初診時)
むし歯が神経まで到達しています。
2.初診時
歯が崩壊しており歯ぐきの下までむし歯が進行しています。
3.根管治療
歯ぐきを外科的にさげて樹脂で囲いを作ります。
4.土台を立てる
神経をとった歯はそのままでは割れてしまうので補強します。
5.かぶせ物(保険)
さらに補強するため、かぶせ物をします。
6.レントゲン(治療後)
歯を抜くことなく治療を終えました。
むし歯進行段階と主な治療法
むし歯の症状は、一般的に「C0」〜「C4」という段階に分けて呼ばれます。「C」とは「カリエス(=むし歯)」の頭文字です。症状やむし歯の場所、医院によって治療法は異なります。
歯の表面からカルシウム等の無機成分が溶け出したごく初期の段階。
表面が白く濁ったり歯の溝が茶色になりますが、見た目はほどんど同じです。
- 主な症状
- ・表面が白く濁る
・溝が茶色になる
- 治療法
- ・フッ素を使って歯みがきをする
・歯科医院でのフッ素塗布
エナメル質が細菌におかされ小さな黒い穴があきます。
エナメル質には神経がないので痛みなどはなく、自覚症状がありません。定期的な検査を行うことで発見は可能です。
- 主な症状
- ・小さな黒い穴があく
・歯の表面に艶がなくなる
・薄い茶褐色になる
- 治療法
- ・つめもの(CR:樹脂)
細菌が象牙質にまで達します。穴があき、黒っぽくなって見ためにもわかるようになります。
冷たいものがしみるなどの自覚症状もでてきます。
- 主な症状
- ・穴があく
・茶褐色から黒っぽくなる
・冷たいもの、熱いものがしみる
- 治療法
- ・むし歯の部分を削り、つめものをするか、かぶせものをします。
・つめもの(インレー)
・クラウン
神経にむし歯が達します。炎症が起きることで痛みがひどくなります。麻酔も効きづらくなります(急性歯髄炎)。
さらに進行すると神経が死んでしまい、痛みが止まることがあります。(根尖性歯周炎)。
- 主な症状
- ・大きな穴があく
・ズキズキと刺すような痛み
・膿
・歯が割れる
- 治療法
- ・クラウン
・歯に冠をかぶせられる程の大きさが残っておらず、神経も死んでしまった場合、残った歯の根を利用して芯を立て、その上に冠をかぶせます。
穴が広がり、歯がほとんどない状態。歯根だけが残ります。
神経(歯髄)が死んで腐敗し、膿みが出ることで口臭が強くなります。
歯根の先や周囲にまで炎症がおよび、歯茎の中の骨が溶けて、さらに痛みが起こり熱が出ることもあります。
- 主な症状
- ・大きな穴があく
・ズキズキと刺すような痛み
・膿
・歯が割れる
- 治療法
- ・ブリッジ(固定式入れ歯)
・義歯(取り外し式入れ歯)
・インプラント
歯周病とは
歯周病とは、歯周組織が歯垢(プラーク)に含まれている『歯周病菌』に感染し、歯肉が腫れたり、出血したり、歯が抜けてしまう歯の周りの病気です。
歯周病の初期段階では自覚症状がほとんどないので気付いている人が少なく、実際には日本人の成人の約80%が歯周病(歯肉炎 or 歯周炎)にかかっているといわれており、日本人が歯を失うもっとも大きな原因のひとつとなっています。